山崎正和アーカイブ

山崎正和アーカイブ・ギャラリー

アーカイブの構成と使い方

収録データについて

山崎正和アーカイブは、山崎正和氏が遺した資料や書籍等について、将来の学術研究に資することを目的とし、整理・記録・デジタル化したデータベースとして公開するものです。 作品、著作、蔵書、イベントなどの種別ごとにデータを記述し、互いに下記のように関連付けられています。データの個別詳細ページでは、下に示したアイコンと色をヘッダ(上部)に配し、どの種別の情報かが分かるようにしています。

作品を中心に、掲載情報・図書・雑誌・蔵書・デジタルアーカイブ・イベント・日誌手帳のデータ関係を示す図。
作品 作品Wで始まるID)
山崎正和の著した戯曲、論考、エッセイ、講演など。掲載情報とはschema:workExample関係で結ばれる。
例)世阿弥 - 作品 - ID: W00104
掲載情報 掲載情報Eで始まるID)
作品が具体的な形で公開されたもの。掲載媒体(図書・雑誌)の特定ページを占める。新旧字、翻訳など同じ作品でもテキストが異なる場合もある。掲載媒体(図書、雑誌)とはymav:appearsIn関係で結ばれる。
例)著作集1のp.251〜p.343 - 掲載情報
図書 図書MBで始まるID)
出版された非定期刊行の書籍。1つの図書に複数の作品が掲載される場合がある。ここでは山崎正和の作品の掲載図書だけでなく、蔵書の図書も含む。図書グループとはschema:isVariantOf関係で、蔵書とはschema:workExample関係で結ばれる。
例)山崎正和著作集 1 (戯曲 1) - 図書
図書グループ 図書グループUBで始まるID)
一連の書籍として出版されたもの(全集、シリーズなど)。また、同タイトルの図書で、改版、文庫化などのバリエーションをまとめるグループ。
例)山崎正和著作集 - 図書グループ
雑誌 雑誌MMで始まるID)
定期的に刊行される雑誌の特定の号。通常複数の記事を掲載する。ここでは山崎正和の作品の掲載誌だけでなく蔵書の雑誌も含む。雑誌グループとはschema:isPartOf関係で、蔵書とはschema:workExample関係で結ばれる。
例)文藝 (第2巻第10号) - 雑誌
雑誌シリーズ 雑誌シリーズUMで始まるID)
定期的刊行される継続的な出版物。同タイトルの雑誌の各号をまとめるもの。
例)文藝 - 雑誌シリーズ
蔵書 蔵書Bで始まるID)
山崎正和の書斎に所蔵された個々の図書、雑誌。同じ図書、雑誌を複数所蔵する場合それぞれが固有のIDを持つ。デジタル化したページがある場合はymav:digitization関係で結ばれる。
例)世阿彌 (新潮文庫) - 蔵書 およびバーチャル書棚
デジタル化 デジタル化資料Dで始まるID)
蔵書のうち、書き込み・線引・付箋などがあるページをデジタル化したもの。書き込みなどに関する注釈がある場合はymav:hasAnnotation関係で結ばれる。
例)世阿彌 (新潮文庫) p.77 - デジタル化資料
注釈 注釈(IDはデジタル化資料に対応付けて付与)
デジタル化された資料のどの部分に書き込みなどがあるかを記す情報。Web Annotationモデルを用いて記述される。
例)世阿彌 (新潮文庫) p.77:線引(囲み) - デジタル化資料への注釈 およびIIIFビュー
イベント イベントSで始まるID)
時間軸(および場所)を持ったできごと。関連作品がある場合はymav:relatedWork関係で結ばれる。
例)第9回岸田戯曲賞 - イベント
劇場イベント 劇場イベントSTで始まるID)
イベントの中でも公開の舞台で演じられた山崎正和の戯曲。公演日、会場などの情報を持つ。通常上位イベントがあり、schema:superEvent関係で結ばれる。
例)俳優座「世阿彌」東京公演 - 劇場イベント
日誌手帳 手帳記述SCで始まるID)
山崎正和の手帳に記された時間軸を持ったできごと。関連作品がある場合はymav:relatedWorkで、関連イベントがある場合はymav:relatedEvent関係で結ばれる。
例)英訳「世阿弥藝術論」 - 日記手帳記述

サイト内のコンテンツ

蔵書類データベース

山崎正和の蔵書類をデータベース化したものです。書斎、書庫の平面図から蔵書の並びを再現したバーチャル本棚にリンクしています。データベースはNDLサーチなどを利用して収集した外部書誌データを元に蔵書と照合整理のうえ、正規化や関連付けを行なっています。

「蔵書データベース」のスクリーンショット
1 キーワード検索
キーワードで蔵書類目録を検索できます。
検索する対象をあらかじめ限定して検索することも可能です。
検索方法について詳しく見る
2 バーチャル書棚
書斎・書庫の本の並びを擬似的に再現しています。
各部屋平面図の書棚を選択すると、その棚に収められていた蔵書の情報をデータベースから取り出し、高さ・厚さをデータに基づいて近似的に再現した背表紙を並べて表示します。各棚右上にカメラアイコンがある場合はクリックすると元の状態の写真を表示します(本もその順序に並べています)。背表紙は図書の日本十進分類法(NDC)大分類で色分けし、下部に3桁分類を示します。各書籍をクリックすると書誌データ詳細に遷移します。
バーチャル書棚について詳しく見る
3書棚の書籍の分野別割合
各書棚の書籍のうち、書誌データにNDCがあるもの(約90%)および洋書について、大分類ごとの冊数を背景色で、総冊数に対する比率を%で示します。
書棚名からバーチャル書棚にリンクします。

※ISBN、タイトルなどに基づいて取得したデータを出発点にしていますが、発行年など一部情報が現物と異なるものがあり、適宜修正しています。またタイトルや著者名などの正規化のためにデータを調整しています。作業は正確を期していますが、一部ミスなどによる誤りが含まれる可能性があります。

デジタルアーカイブ

書込みなどがある蔵書のうち、当該ページを選んでデジタル化した資料です。検索対象は蔵書データベースのサブセットになります。デジタル化画像はIIIFとして提供しています(著作権保護期間中の作品は本文ページにマスキングを施しています)。

「デジタルアーカイブ」のスクリーンショット
1 キーワード検索
デジタル化した蔵書をタイトル、著者で検索できます。
検索方法について詳しく見る
2 書込み書籍ピックアップ
書込みや線引等が多い(20以上ある)蔵書から、ランダムに12点をピックアップして表示します。選択すると、書込み等のあるページの画像をIIIFビューアで表示します。
3 注釈ピックアップ
蔵書の書込みや線引と、山崎正和著作の引用箇所との関連を示す試みです。
「ダイアグラム表示」をクリックすると、下部に蔵書から作品に至る関係ダイアグラムが表示されます。蔵書画像をクリックしたときは、ピックアップと同じくIIIFビューアで画像を表示します。

著作リスト

山崎正和の全著作(作品の目録を作成し、収録データについてで示した関係をデータベース化したものです。一覧はそのうちの主要な著作です。

「著作リスト」のスクリーンショット
1 キーワード検索
キーワードで全著作目録を検索できます。
検索対象は作品と掲載誌/書のタイトルおよび出版社です。キーワードを含む作品、およびキーワードを含む掲載誌/書を持つ作品をリストアップします。検索結果は作品ごとに掲載誌/書を子リストとしてまとめ、作品にキーワードが含まれる場合は子リストを折りたたんで表示します。
検索方法について詳しく見る
2 主要著作出版リスト
主要著作の出版書籍タイトル単位の一覧です。1つの書籍(図書)には複数の作品が含まれる場合があります。カテゴリー別・初版年代順・NDC大分類別の並び順区分を選択できます。
3 区分内リンク
上部に並び順区分内の小区分を表示し、情報を一望できます。
各小区分から該当箇所へリンクします。
4 出版書情報
書籍タイトルと、個別出版書籍(版違いなど)の一覧を表示します。
個別書籍名から図書の詳細情報にリンクします。図書情報の下部に、その書籍に含まれる作品がリストアップされ、作品の詳細情報に進むことができます。

※書籍化された著作は網羅していますが、書籍未収録の新聞・雑誌記事などはまだ調査中のものがあります。収録著作は順次充実させて行きます。

年譜・出来事

山崎正和著作集および『舞台をまわす、舞台がまわる』の年譜をベースに補足情報を補ったデータベースです。また山崎正和が毎日のできごとを記録した手帳を試験的に順次テキスト化し、データベースに組み込んでいます。

「山崎正和年譜」のスクリーンショット
1 キーワード検索
キーワードで生涯のでイベント(年譜)もしくは手帳日誌を検索できます。
検索結果からはそれぞれのデータベース記述、およびタイムライン/カレンダーの表示に進むことができます。
検索方法について詳しく見る
2 年譜(出来事タイムライン)の表示選択
分野を選んでタイムライン表示します(全ての出来事を選ぶとタイムラインに収まらないため)。
必要な分野を選択し、「選択した分野のできごとを表示」ボタンをクリックしてください。タイムライン表示にはMIT SIMILEプロジェクトTimelineを利用しています。
3 手帳日誌(カレンダー)の表示選択
現在データベース化している手帳の内容を、月間カレンダーとして表示します。
表示する年を選択して「選択した年のカレンダーを表示」ボタンをクリックしてください。その年の1月から順次月間カレンダーを表示できます。イベントと同様のカテゴリを設定しており、表示カテゴリを切り替えることができます。
検索フォームの画像。キーワード入力のテキスト欄と、チェックボックス等からなる検索対象の選択項目が並ぶ

キーワード入力

蔵書類データベース、デジタルアーカイブ、著作リスト、年譜・出来事それぞれの扉ページに検索ボックスがあります。

キーワード入力欄に調べたい単語を入力して[検索する]ボタンをクリックするか、Enterキーを押してください。

複数の単語について検索したいときは、下記の検索方法を使うと、より近い検索結果が得られます。なお新旧字は主なものについて区別なく検索できるようにしています(「世阿弥」で「世阿彌」も含めて検索します)。

AND検索

ふたつ以上の単語のすべてを含む文書を検索します。

単語と単語の間にスペース(空白)を置いて入力してください。

「山崎正和」と「世阿弥」の両方を含む

OR検索

ふたつ以上の単語のどれかひとつでも含む文書を検索します。

単語と単語の間に OR (アルファベット大文字)を置いて入力してください。

「こころ」もしくは「道草」のどちらかを含む

AND検索 + OR検索

AND検索とOR検索を同時に利用して検索することも可能です。

半角丸括弧 () を用いて下記のように入力してください。

「夏目漱石」もしくは「森鴎外」の「全集」

NOT検索

キーワードを含まないものを検索します。

単語の前にNOTを置いてください(他のキーワードと組合せてください)。

「夏目漱石」を含み「全集」を含まない

検索対象

検索する対象とする項目をあらかじめ限定して検索を行います。

元にした書誌によっては「昭和文学全集 第3巻|志賀直哉 他」のようにタイトルにしか著者名がない場合があるため、著者名でヒットしない時はタイトルも含めてみてください。

典拠を用いる/用いない

蔵書(およびそのサブセットになるデジタルアーカイブ)のデータの元になった外部書誌は、著者等の表記がさまざまであるため、単純な検索では検索漏れがしばしば生じます。山崎正和アーカイブではこの元データをできるだけ正規化(標準的な形にマッピング)して典拠とし、一貫した形で検索できるようにしています。たとえば「ベルクソン」「ベルグソン」「Bergson」といった異なる表記や「夏目漱石」「夏目, 漱石」などの異なる記法も、それぞれ「ベルクソン」「夏目漱石」で一括検索できます。

ただし元データの表記は思いもよらぬものが時たまあるため、正規化がうまくできていないものが含まれる可能性があります。思ったようにヒットしないとき、「典拠を用いない」をチェックすることで、元データの表記を直接検索することができます。

詳細検索(SPARQL)

山崎正和アーカイブのデータベースはRDFグラフとして構築しており、標準クエリ言語SPARQLを用いて自由に検索できます。各ページの末尾に置いた「詳細検索(SPARQL)」セクションは普段折りたたまれていますが、見出しもしくはその隣のをクリックするとSPARQLによる検索のための入力欄が表示されます。

RDFグラフとSPARQLについて

RDFは、情報を「対象Sの性質Pは値Oである」という3要素で表現します。S、P、Oは主語、述語、目的語としてRDFの文を構成し、3要素をRDFトリプルとも呼びます。RDFトリプルはしばしばSとOを円、Pを矢印にした図で表現されます。

あるRDF文の目的語Oと別のRDF文の主語S'が同一であれば(O=S'、下図の:夏目漱石)、ここを介して2つのRDF文がつながります。Sが同じで別のP、Oを持つ文ならば、Sについての2つの情報を記述できます(下図の:label→それから)。このようにしてつながっていくデータをRDFグラフと呼びます。RDFグラフは複雑な構造を表現することができ、逆に複雑なグラフもすべてS、P、Oの単純なRDF文に分解することができます。

[book]--creator-->[夏目漱石]--birthDate-->[1867]とつながるRDFグラフの例

SPARQLは、このRDFグラフからS、P、Oの一部が分かっているパターンを使って情報を取り出します。たとえば「あるSの作者(P)は夏目漱石(O)である」というパターンを用いて、RDFグラフから作者が夏目漱石である情報を抽出するという仕組みです。山崎正和アーカイブでは作者はschema:creator、夏目漱石はchname:夏目漱石としてRDFグラフを構築しているので、調べたい「あるS」を?sとすると、SPARQLクエリ(検索式)でのこのパターンの記述は、S P Oを空白区切りで列挙して次のようになります。

?s schema:creator chname:夏目漱石

山崎正和アーカイブでは、?sの値はIDで表されます。それだけでは何なのか理解し難く、タイトル(rdfs:label)も合わせて取得したいでしょう。同じ主語に対して別の述語、目的語を組み合わせる時は、1番目の文の末尾を ; とすることで2番目の文の主語を省略できます。これを用いて、RDFグラフから作者が夏目漱石であるSのIDとタイトルを取得するSPARQLクエリは次のように記述できます。

SELECT * WHERE {?s schema:creator chname:夏目漱石 ; rdfs:label ?label}

このパターンは、対象とするグラフ構造に合わせ、複数の述語を重ねるなどしてさらに複雑なものにすることもできます。グラフ構造はデータの種別によって異なるので、個別データの「詳細表示」タブを開いて確認してクエリを組み立ててください。「詳細検索(SPARQL)」のエディタはクエリ例も用意しています。